介護施設の一般的なイメージと実態の違い
老人ホームのような介護施設と言えば、高齢者が大人数の相部屋に詰め込まれ、プライバシーも無く、どこも似たような画一的な介護サービスが施されているというイメージを持つ人が多いでしょう。たとえこれに該当しない快適な介護施設があったとしても、一部の富裕層しか入れない高級有料老人ホームに限られると考える人も少なくありません。認知症の入居者は、徘徊などの問題行動を起こさないように軟禁や拘束の処置が成され、居室の窓には鉄格子がはめられた閉鎖的な場所だと考える人もいます。
しかし、実際は入居者の尊厳と個々のライフスタイルを重視するユニットケアを心がける施設が増えてきました。ユニットケアとは、入居者一人ひとりの個性を尊重するシステムで、画一的な介護サービスを施しません。施設の居室は、夫婦や友人など入居者が希望する場合を除いて、個室を原則としています。
また、施設によって、医療、リハビリ、レクリエーションなど特化するサービスが異なり、独自性を打ち出しているのです。さらに、プライバシーを重んじるため、安否確認にもIT技術を導入し、体温や動体の検知センサーを居室に設置している施設もあります。
入居者の身体に異常があれば、アラームが鳴ってスタッフが駆けつけるので、頻繁に居室を回って覗き込む必要がありません。それから、保育園と一体化した高齢者施設もあり、子ども好きの入居者が園児を見守る取り組みも好評です。高齢者施設に子どもたちの歓声が響くと、良い刺激を受けて元気になる入居者も多いのです。